本事業の目的
地球観測衛星は全球のデータを収集できることから、地球規模課題の解決や幅広い産業分野での利用が期待されています。これまで経済産業省では、民間企業が衛星データを利用しやすく、かつ、AI 等も活用した民間の新規アプリケーション開発等が可能となるような政府衛星データプラットフォーム(Tellus)を構築してきました。また、宇宙データの利用促進を図り、新規アプリケーション開発によるビジネス創出を促進するため、衛星データ活用スキル習得機会の拡大や、本プラットフォームを活用して、新たなアプリケーションの開発を行ってきました。宇宙基本計画(令和 2年 6月 閣議決定)においても、「Tellus」について、民間活力も最大限利用しつつ、2020 年度以降も衛星データを含む多様なデータの拡充、他分野のプラットフォームとの連携、アプリケーション/解析ツールの拡充等の機能向上を進めることとされています。
昨今、我が国のデジタル化が急速に進む中、この社会変化を加速し、新しい社会を創り上げていくべく、宇宙から得られる衛星データの活用を行うことで、新たなビジネス創出の促進に資する基盤データの整備が必要になります。
本事業では、Tellus に実装するアプリケーション/解析ツールの拡充を行い、様々な行政・産業分野における衛星データの利用を促進し、社会のデジタル化や Withコロナ時代の業務の省人化・無人化に貢献を目指します。
募集内容及び公募要件
Tellusに搭載している衛星データ又はオープン&フリー(※1)で提供されている衛星データ(準天頂衛星システムによる測位データを含む)と、他の地上データを統合し、ソリューション開発の基盤となる汎用性の高い新たなアプリケーション/解析ツールを開発・実証し、Tellusに実装していただきます。
アプリケーション/解析ツールの例は以下の通りです。
- ハイパースペクトルセンサのデータ解析ツール
- 衛星データのAI解析のための教師データを含むツール
- 光学データとSARデータの重ね合わせ分析ツール 等
なお、Tellusに搭載していない衛星データの併用も可としますが、それらのみでの実施は不可とします。
(※1) 本事業におけるオープン&フリーとは以下を指します。
- オープン&フリーのデータポリシーを設定しているもの:ASTER、GCOM系、準天頂衛星、Sentinel系、Landsat系 等
- Tellus上で(一部でも)オープン&フリー化しているもの:ASNARO系、ALOS系
また、次年度以降、当該アプリケーション/解析ツールを開発・納入した事業者(以下、「再委託事業者」という)が、当該ツールに高付加価値を与え、自らのビジネスとして展開することに期待し、ビジネス化に際しては、Tellusを利用した事業スキームであることを前提(※2)とします。また、来年度以降のビジネス利用に係る経費(Tellusのサーバ等コンピューティングリソースやメンテナンスに関する費用等)は全て再委託事業者が負担することが前提になります。
(※2) Tellusを利用した事業スキームについては、Tellus運用企業との協議が必要です。
事業スキーム
本募集は、公募により広く企画の提案を求める「企画競争」としてTellusに実装するアプリケーション/解析ツールの開発及び実証事業の提案を募集するものです。
所定の選定手続き(有識者による評価)を経て、対象となる開発及び実証事業が選定された後、再委託事業者の代表者には、JSFと委託契約を締結し、国によるプロジェクトとして本事業を実施いただくとともに、開発したアプリケーション/解析ツールをTellusに実装していただきます。
予算規模及び採択件数
予算規模:合計16,000万円(税込)
採択件数:5件程度
※事業額及び採択件数は、提案の内容に応じて加減算となる可能性があります。
募集期間
令和4年6月6日(月)~令和4年7月8日(金)13:00必着
公募説明会
開催日時:令和4年6月9日(木)10:00~10:30
開催方法:Zoomウェビナーを使用したオンライン開催
説明会への参加を希望する方は、下記URLにて必要事項を入力の上ご参加ください。
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_Hng8cEJwSeKCgYZZe9wELw
応募方法
詳細は「公募要領」を参照の上、必要書類をご提出ください。
採択結果、及び成果
「政府衛星データプラットフォーム「Tellus」に実装するアプリケーション/解析ツールの開発及び実証事業」では、8件の応募があり、5件が採択されました。
事業成果の概要版、及び詳細版を以下に掲載いたします。
事業名(アプリケーション/解析ツール名) | 事業者名 | 事業概要書 | 成果報告書 (概要版) |
成果報告書 (詳細版) |
---|---|---|---|---|
複数衛星による海洋情報の合成ツール/SAR衛星による海上風速算出ツール | 株式会社エイム 一般財団法人リモート・センシング技術センター |
01(PDF) | 01(PDF) | 01(PDF) |
SAR衛星と地上データを使った高性能AIによる浸水域解析API | 株式会社スペースシフト トヨタ自動車株式会社 |
02(PDF) | 02(PDF) | 02(PDF) |
農業情報の解析支援ツール | 株式会社パスコ | 03(PDF) | 03(PDF) | 03(PDF) |
道路防災事業等での活用を想定したALOS-3による土地利用判読ツール | 株式会社パスコ 静岡支店 | 04(PDF) | 04(PDF) | 04(PDF) |
コンステレーション・小型衛星対応「自動 雲検出・影検出AIアプリケーション」 | 株式会社 Ridge-i | 05(PDF) | 05(PDF) | 05(PDF) |
FAQ
よくある質問と回答はこちらをご覧ください。
- QTellus上で入手可能な有償データのうち、提供いただける範囲はどこまでですか?
- A各事業者の希望に沿ったデータを用意するよう努めますが、全てのものをご用意できない可能性があるため、予め全有償データの購入費用を予算計画書に計上いただき、提供できた分の費用については、事業完了後の額の確定時に清算(減額)させていただきます。
- Q応募は単一事業者でなければいけませんか?
- Aコンソーシアム形式による応募も可能ですが、その場合には構成企業間の責任と役割を明確にしてください。
- Q応募段階で詳細な予算計画が必要ですか。
- A1円単位での詳細な予算計画は不要ですが、予算計画の合理性は審査対象となります。
また、人件費単価の設定や一般管理費率の算出は、経済産業省の「委託事業事務処理マニュアル(令和3年1月版)」にある手順に沿って行ってください。 - Q人件費の清算はどのように行われますか?
- A原則として作業日誌を作成いただき、当該業務にいつ、何時間、どのような作業を行ったかを記録してください。その結果と人件費単価の積算結果に基づいて清算します。
- Q会計処理はどのように行えば良いですか?
- A経済産業省「委託事業事務処理マニュアル(令和3年1月版)」に沿って行ってください。
お問い合わせ
お問い合わせは、ご所属・お名前・問い合わせ事項を明記の上事務局までメールでのご連絡をお願いします。
一般財団法人日本宇宙フォーラム
「Tellusに実装するアプリケーション/解析ツールの開発及び実証事業」事務局
担当:深田、中浦
tellus-tool(at)jsforum.or.jp(メールを送信する際に(at)を@に置き換えてください。)
Tel:03-6206-4902
※テレワーク実施につき、お電話の問合せはご対応できない場合があります。
メールでのお問い合わせをお願いいたします。